米VeriSignは,同社のセキュリティ・システム/サービスが米国防総省(DoD:Department of Defense)の推進する電子投票計画「Secure Electronic Registration and Voting Experiment(SERVE)」に採用されたと,米国時間9月29日に発表した。同計画のシステム構築を担当する米Accentureが,VeriSign社のホスティング,セキュリティ・コンサルティング,認証サービス,マネージド公開鍵インフラ(MPKI)サービスの導入を決定したもの。

 同システムを使用すると,国外にいる軍人や一般市民がインターネット経由で不在者投票できるようになる。現在のところ,アーカンソー,フロリダ,ハワイ,ミネソタ,ノース・カロライナ,サウス・カロライナ,ユタ,ワシントンの8州に住所のある有権者を対象に,2004年の予備選挙/総選挙で同システムの利用を開始する予定。

 VeriSign社によると,すでに数1000の企業や政府機関が同社のMPKIサービスを導入済みという。「同サービスを使うと,セキュリティ・ポリシー,手順,従業員を統制する際に,電子証明書の発行/検証/更新/失効などPKI利用に関する付随する作業の負荷を軽減できる」(同社)

 SERVEシステムでは,対象となる有権者に対し電子証明書を発行する。この証明書は各自の氏名と信任状を対応付けるためのもので,投票する際の署名にも使う。

 VeriSign社採用の理由として,Accenture社eデモクラシ・サービス担当チーフ・エクゼクティブのMeg T. McLaughlin氏は「同社の経験と,これまで電子政府システムやアプリケーションのセキュリティ確保で達成してきた実績」を挙げる。「同社のMPKIサービスを導入することで,専用システムを開発するよりも低コストかつ迅速にSERVEの安全性を確保できる。さらに,対象とする州,選挙,有権者を増やすことも容易だ」(同氏)

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