米In-Statは,Push-To-Talk(PTT)/Push-To-Talk Over Cellular(PoC)市場に関する調査結果を米国時間4月4日に発表した。それによると,2004年末におけるPTT/PoC加入者は1680万人で,これが2009年末には3360万人に増える見込み。「スロー・ペースながら,着実に拡大する」(同社)

 In-Stat社アナリストのBecky Diercks氏は「企業分野の継続的な拡大と,消費者分野,特に若年層での取り込みが,市場成長の大半を占める」と説明する。「PTT/PoCは新興市場だが,成長を遂げるためには,特に技術面と相互接続性の領域で多くの課題がある。このため,今後5年間はゆっくりと拡大する」(同氏)

 PTT市場の先駆者である米Nextel Communications(まもなく米Sprintと合併)は,PTTの優れたサービスと実績,重点路線などにより,今後5年間は引き続き市場で優位を保つ。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・PTT/PoCは,携帯電話プロバイダによる導入が増加し,基本の音声通信に追加料金で提供する発信者表示やボイス・メールなどのような付加価値サービス(VAS)となる

・PTT/PoC加入者1人当たりの平均売上高(ARPU)は今後5年間で減少する見込み。通信業者が他のVASに合わせた価格設定を実行し,あるいは従量課金形式の価格プランを導入するためである

・「PTT/PoCを利用するために通信業者の乗り換えを検討する」という回答者は3分の1にのぼった

・「PTTに特別料金を支払ってもよい」とするユーザーの許容価格は1カ月あたり平均4ドル80セント。ただし,回答者の約半数は「PTTは通常の利用料金に含めるべき」と考えている

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