米Motorolaは米国時間5月25日,トランシーバのようにボタンを押すとすぐに会話ができる携帯電話のPush-To-Talk機能を,異なるネットワーク間で利用できるようにする技術「Cross-Technology PoC(Push-To-Talk over Cellular)」を発表した。GPRS,CDMA2000 1X,Wi-Fi(IEEE 802.11)ネットワークに対応する。

 Motorola社によると,同技術はモバイル通信の業界団体Open Mobile Alliance(OMA)に提出した標準仕様案に準拠しており,標準ベースのPoCクライアントであれば修正は不要だという。

 Motorola社副社長兼Global Telecom Solutions部門担当ジェネラル・マネージャのMurali Aravamudan氏は,「当社のソフト・スイッチとIPネットワークに関するノウハウを活用して,既存の標準に基く技術を開発した。当社の双方向通信サービス仕様『Motorola IP Multimedia Subsystem(IMS)』を利用しているため,『Push-To-Video』など,将来,提供する機能にも対応させることができる」と説明する。

 Motorola社はCross-Technology PoCによって,消費者のPush-To-Talk機能に対する関心の高まりに応えることができるとみる。事業者は,自社の異なるネットワークにアクセスしているユーザー同士にPush-To-Talk機能を提供できるようになるほか,他社と提携してPush-To-Talk機能に対応したローミング・エリアを拡大できる。またWi-Fiネットワークを持つ企業も,Push-To-Talk機能を導入できるようになる。

 同技術は将来,EDGE(Enhanced Data Rate for Global Evolution),HSDPA(High Speed Packet Downlink Access),W-CDMA/UMTS(Wideband CDMA/Universal Mobile Telecommunications System),WiMAX(IEEE802.16)技術にも対応する予定である。

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