米Zelos Groupは米国時間8月29日に,消費者が携帯電話機に望む機能について調査した結果を発表した。消費者が最も望む機能は,トランシーバのように会話ボタンを押すとすぐに会話ができるPush-to-Talk機能と,画像のメッセージ送信機能だという。

 約1300人の消費者を対象に調査したところ,約50%は,次に携帯電話機を買い換える際に,デジタル・カメラ内蔵型を選ぶと回答した。また,調査時点でpush-to-talk機能を提供しているキャリアは米Nextelのみだが,それ以外のキャリアと契約しているユーザーでは,40%がpush-to-talk機能に関心があると答えた。push-to-talkを買い換えの際に最も重視する機能の一つとして挙げた回答者は45%だった。

 Zelos Group社シニア・アナリストのSeamus McAteer氏は,「push-to-talk機能がこれほど幅広い関心を集めていることは注目すべき点だ」と述べた。

 しかし,push-to-talk機能が大衆市場で受け容れられるかどうかは,異なるネットワーク上で相互運用性のあるサービスが提供できるかどうかにかかっている。Zelos Group社によれば,米Verizon Wireless,米Cingular,米AT&T Wirelessなどが半年以内にpush-to-talkサービスを開始する予定だが,完全な相互運用性を確保できるのは1年以上先になる見込みだ。

 Bluetoothは,消費者が次の携帯電話機に望む機能の10位だった。買い換えの際に重視する5項目の中にBluetoothを選んだ回答者は13%だけである。「消費者は,Bluetoothについて理解していない。キャリアやメーカーがBluetoothの利便性を具体的にはっきり示さなければ,この技術が幅広い関心を得ることはできない」(McAteer氏)

 テキスト・メッセージングは,昨年までキャリア間の相互運用性が乏しかったにもかかわらず,米国で最も利用されている機能の一つだ。25%以上の回答者が,テキスト・メッセージングを使ったことがあり,1週間に1回以上テキスト・メッセージを送信するという回答者は12%だった。

 なお,携帯電話機買い換えの際にキャリアに関係なく同一番号を保持できる番号ポータビリティ制度(LNP:Local Number Portability)については,「消費者の買い換え行動に大きな変化を与えることはないだろう」とZelos Group社はみている。「番号を維持できるのなら買い換える(キャリアを変える)という消費者の多くは,おそらく,番号を維持できなくても買い換えるつもりがある」(Zelos Group社)

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