米Gartnerは,2004年第4四半期と通年の世界携帯電話機市場に関する調査結果を英国時間3月2日に発表した。第4四半期の世界市場における販売台数は,前年同期から24%増加した。通年で見ると前年比30%増の6億7400万台を超えた。

 同社主席アナリストのBen Wood氏は,「2004年の市場は,もっとも楽観的な予測を上回った。携帯電話機の買い換えが堅調だったほか,季節的な要素,中南米をはじめとする新興市場の成長により,過去最高の販売台数を記録した」と述べている。

■2004年の世界におけるエンドユーザー向け携帯電話機の販売台数(単位:1000台)
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ベンダー名      2004年                      2003年 
                販売台数     市場シェア      販売台数   市場シェア
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Nokia 		207 231,3 	30.7 	180 672,4 	34.8
Motorola 	104 124,2 	15.4 	75 177,1 	14.5
Samsung 	85 238,4 	12.6 	54 475,1 	10.5
Siemens 	48 455,8 	7.2 	43 754,3 	8.4
LG 		42 276,8 	6.3 	26 213,7 	5.0
Sony Ericsson 	42 031,7 	6.2 	26 686,3 	5.1
その他 		144 643,7 	21.6 	113 009,6 	21.7
合計 		674 001,9 	100.0 	519 988,5 	100.0
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注記:数字には,iDEN対応電話機の販売台数を含むが,ODM,OEM製品は含まない。

出典:Gartner Dataquest社(2005年3月)

 メーカー別にみると,困難なスタートを切ったフィンランドのNokiaは回復し,第4四半期には市場シェアの33%を獲得している。同社の市場シェアは,2004年前半に28.8%まで縮小したが,終盤でシェアの安定化に成功した。

■2004年第4四半期の世界におけるエンドユーザー向け携帯電話機の販売台数(単位:1000台)
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ベンダー名      2004年Q4                      2003年Q4 
                販売台数     市場シェア      販売台数   市場シェア
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Nokia 		64 387,3 	33.0 	54 581,5 	34.7
Motorola 	31 744,3 	16.3 	22 255,3 	14.1
Samsung 	23 883,7 	12.2 	15 524,7 	9.9
LG 		13 340,5 	6.8 	8 727,3 	5.5
Siemens 	12 588,9 	6.4 	14 907,1 	9.5
Sony Ericsson 	12 335,8 	6.3 	7 965,6 	5.1
その他 		37 040,0 	19.0 	33 323,7 	21.2
合計 		195 320,5 	100.0 	157 285,3 	100.0
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注記:数字には,iDEN対応電話機の販売台数を含むが,ODM,OEM製品は含まない。

出典:Gartner社 Dataquest(2003年3月)

 韓国のSamsungは,2004年に特に中国においてブランド力を強化しており,メガピクセル・カメラ搭載電話機などいくつかの領域で首位についている。Gartner社は,米MotorolaやNokia社に対抗するために,Samsung社には戦略の変更と製品ポートフォリオの拡張が必要だと分析している。

 地域別にみると,西欧では,クリスマスの堅調な売れ行きと携帯電話機と通話料金の両方における低価格の価格設定により好調な売れ行きが続いた。同地域では,価格以外にもカラー画面,カメラ,デザインが売れ行きに大きく影響を与えている。

 北米とアジア太平洋地域では電話機の買い替えによる売上高が堅調だった。中国では,カラー・ディスプレイとカメラ機能搭載の携帯電話機の売れ行きが引き続き好調だった。日本では全体的な携帯電話機の売れ行きは低下している。中南米では第4四半期における売れ行きが伸び,およそ1900万人の新規ユーザーを獲得している。

 なお,Gartner社は,携帯電話機市場の成長は2005年にも続き,世界販売台数は7億3000万台を突破すると予測している。Gartner社アナリストは,2004年通期の販売台数について「約6億2000万台,あるいは現在の勢いが続けば6億5000万台に達する」と予測している。

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