米Crayは,同社社長に販売/マーケティング/サービス部門上級バイス・プレジデントのPeter Ungaro氏を任命したことを,米国時間3月7日に発表した。同氏は2003年8月にCrayに入社する以前は,米IBMでディープ・コンピューティング世界販売部門のバイス・プレジデントを務めていた。

 Cray社会長兼CEOのJim Rottsolk氏は「Ungaro氏は,たぐいまれなるリーダーシップと商才を示し,高性能コンピューティング(HPC)の顧客と強い結びつきを維持してきた。同氏の就任により,私自身がCray社の長期的戦略とコーポレート・ガバナンスにこれまで以上に時間を割くことができる」と述べた。

 Ungaro氏は今後,Rottsolk氏の配下で,財務,法務,官庁関連を除いたすべての部門を統括する。

 また同社は,ベクトル型スーパーコンピュータ「Cray X1」の強化モデル「Cray X1E」を同日発表した。1キャビネットあたりの演算性能は最大2.3TFLOPSで,X1の819GFLOPSを3倍近く上回る。「X1と同様のきょう体サイズを維持しながら,HPC市場で最高の計算密度を実現する」(同社)

 同システムは,18GFLOPS性能のプロセサを各ソケットに2基搭載する。16~8192ウエイ構成に対応し,メモリーは32Gバイトから32Tバイトまで拡張可能。空冷式と水冷式の両バージョンを用意する。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]