米Crayは,ベクトル型スーパーコンピュータ「Cray X1」システムの製品版を2002年末に初めて出荷した。Cray社が米国時間1月2日に明らかにしたもの。

 同システムは,最高で毎秒52兆4000億回(52.4テラFLOPS)の演算を処理でき,65.5Tバイトのメモリーに対応する。12.8ギガFLOPSという性能を持つプロセサを複数備え,1台のきょう体で最高819ギガFLOPSの演算性能を提供可能という。システムに搭載可能なプロセサ数は8個から4096個(ノード数は2から1024),メモリーは32Gバイトから65.5Tバイト(関連記事)。米国における価格は約250万ドルから。

 「この出荷と最近受けた注文により,当社は2002年の目標をすべて達成できた。その目標とは,Cray X1の出荷,1億5000万ドルから1億6000万ドルの売上高,年間および後半6カ月間における黒字実現,1億ドルのバックログである」(Cray社会長兼CEOのJim Rottsolk氏)

 なお米メディアの報道(InfoWorld)が伝えるところによると,Cray X1は,Cray社が設計し米IBMが製造したASICを採用しているという。

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