米SGI社が米国時間11月11日に,同社のスーパーコンピュータ「Origin 3000」ファミリの最新モデル「Origin 3900」サーバーを発表した。1つのラックで従来の4倍に該当する計算密度を実現している。エネルギ,政府,防衛,製造業,科学業界をターゲットにしている。

 同製品は,同社の拡張された高性能コンピューティング(HPC:high-performance computing)戦略の一環として数カ月以内に発表する製品の第1号となる。この高密度構成は,11月19日~21日にメリーランド州ボルティモアで開催されるトレードショウ「Supercomputing 2002(SC2002)」で発表される。

 同製品は,以前の構成とともに米Hewlett-Packard(HP)と米IBMの64ビット・システムの4倍の計算密度を提供する。同システムは,ラックごとに128プロセサとメモリー256Gバイトを搭載でき,容易に512プロセサとメモリー1Tバイトのレベルまで拡張できる。

 新しいシステムでは,プロセサを追加する必要なく,ユーザーがラック内のメモリーと帯域幅のスケーラビリティを最大化することで,プロセサごとのメモリーとデータ量をいつでも増加できる。

 「『IBM p690」の半分以下の価格で,SGIシステムは4倍の密度を提供する。また,p690の32プロセサに対して,SGIのシステムは512プロセサに対して共有メモリーをサポートする」(同社)。

 また,同システムは,同社のNUMAflex共有メモリ・アーキテクチャにより,構成に関わらずプロセサを数千基に拡張しながら安定したパフォーマンスを提供できる。共有メモリ機能により,ユーザーは,小単位に分解する必要なく,大規模なデータ・モデルの作成と分析が可能になっている。

 「Origin 3900」は,同社の販売オフィスと公認チャネル・パートナから入手可能。ベースとなる4プロセサとメモリー4Gバイトの構成から512プロセサとメモリー1Tバイトまでの構成で提供される。価格は,128プロセサとメモリー64Gバイトの構成で,293万7696ドル。

◎関連記事
米SGIがNASAのスーパーコンピュータをアップグレード,「演算速度が37%向上し,1228.80GFLOPSに」
UNIX機の価格対性能を大幅改善,SGIが科学技術分野で攻勢
実は世界を1桁リードしているぞ! 日本のスパコン
米HPが高密度サーバーとスーパーコンピュータを発表
米クレイ,米エネルギー省とスーパーコンピュータ納入契約を締結,「米AMDの『Opteron』を搭載し毎秒40兆回の演算が可能」

発表資料へ