米Hewlett-Packard(HP)とPittsburgh Supercomputing Center(PSC)は米国時間11月14日,グリッド・コンピューティングに関して戦略的提携を結んだことを明らかにした。

 PSCとHP社は協力体制を敷き,米国立科学財団(National Science Foundation)の科学系分散コンピューティング・システム「TeraGrid」に対応したPSCのコンピューティング環境の拡充を図る。TeraGridは,全米で最も高速かつ強力なグリッド・コンピューティングを提供するとみられており,2004年に主要アプリケーションを用いたグリッド・サービスの実用化を予定している。

 提携のもと,HP社は米IntelのItanium 2プロセサとLinuxを搭載したサーバーから成るクラスタ・システムをPSCに提供し,PSCのスーパーコンピュータ「LeMieux」を補完する。LeMieuxはTru64 UNIX搭載のAlphaServerで構成されており,6テラ・フロップスの処理性能を持つ。

 また,HP社High-Performance Technical Computing(HPTC)部門およびHP Labsのエンジニアや研究者が,ベンチマーク・テストの実施などでPSCに協力する。

 一方,PSCは,HP社の世界規模のグリッド・プログラムや,オープン・ソースのLinux/Itaniumコンピューティング・ソリューションに関するコンソーシアム「Gelato Federation」に参加する予定である。主要アプリケーションのHP社製システムへの移行に取り組むという。

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