米MicrosoftとドイツのSAPは,企業ポータル構築ソフトウエア「SAP Enterprise Portal(SAP EP)」用のコンテンツ開発キット「Portal Development Kit for Microsoft .NET(PDK for .NET)」の提供を開始した。両社がそれぞれ現地時間1月12日に明らかにしたもの。同キットを使用すると,低コストかつ容易にアプリケーション統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」とアプリケーション開発環境「Microsoft Visual Studio .NET 2003」の密な連携が可能になるという。

 PDK for .NETは,Visual Studio .NET 2003のアドオンとして機能する。Microsoft Visual CやMicrosoft Visual Basicといった開発言語を使用し,SAP EP用コンテンツを作れる。コンテンツの配布は,SAP NetWeaverと「Portal Runtime for .NET」で行う。

 コンテンツからは,アプリケーション開発プラットフォーム「Microsoft .NET Framework」の全機能と,ユーザー管理機能,シングル・サインオン機能「SAP Single Sign On(SAP SSO)」を利用できる。標準SAP .NETコントロールと,SAP NetWeaverのユーザー・インタフェース・コントロールを任意に組み合わせられる。

 「SAP NetWeaverはオープンな統合能力とアプリケーションを備えており,.NETなど他社製プラットフォームとの連携で得られる柔軟性により,既存のソフトウエアを活用してまったく新しい業務用コンテンツを開発できる」(SAP社コラボレイティブ・ソリューション部門製品マーケティング担当上級副社長のPeter Graf氏)

 PDK for .NETは,SAP社の開発ネットワーク「SAP Developer Network」でダウンロード提供する。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,新たにSAP社製品を導入する顧客の3分の2近くがWindowsを採用し,現在Windows上で動作しているSAP社製品の導入事例は4万件以上あって,ほかの全プラットフォームを合わせた数よりも多いという。

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.NETの強さと弱さ

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