米IDCは,世界ソフトウエア市場に関する調査結果を米国時間11月4日に発表した。2003年の売上高は前年比5.1%増の1780億ドルだったが,2004年は前年比6.2%増の1890億ドルに成長する見込みだ。

 ちなみに,2003年は売上高の3分の1以上を大手ベンダー5社(米Microsoft,米IBM,米Oracle,独SAP,米Computer Associates)が占めた。

 IDCグローバル・ソフトウエア部門シニア・バイス・プレジデントのAnthony Picardi氏は「ソフトウエア業界は初めて経験した減退から回復しつつあるものの,90年代のような2ケタ成長は,当分戻ってこないだろう」と語った。また,「複雑性,セキュリティ,品質などが,成長のための課題となる」(同氏)と付け加えた。

 ただしIDCは,市場が2003~2008年に年平均成長率(CAGR)6.9%で拡大し,今後も安定した成長を示すとみている。この後も北米が売上高の最大シェアを占める。同地域は,2003年のパッケージ・ソフトウエア市場で売上高の半分以上を創出した。アジアや中欧などの新興市場は急成長する可能性があるが,これらの地域は著作権侵害,価格や政治情勢の不透明さという点で,最も課題が多い。

 対応プラットフォーム別では,Linux分野が引き続き大幅に成長する見込みだ。現在,オープンソースは対応プラットフォームの7位だが,2008年には4位に上昇すると,IDCは予測している。

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