米IDCが米国時間3月25日に,米企業のIT予算に関する調査結果を発表した。それによると,2004年のIT予算額は前年に比べ4.7%増加する。「米国経済の回復が勢いを増しており,IT予算は2000年以来初めて意味のある増え方をした」(IDC)

 同社は,2004年に米国のGDPが前年比4.6%増えると予測する。これは「1984年以降で最も高い成長率」(同社)という。「米国経済は2003年末に強力な足場を築き,2004年に向け勢いをつけた」(IDC世界IT市場/戦略調査担当調査マネージャのKevin White氏)

 ただしIDCは,「IT予算の増加状況は地域によって異なる」とみる。「カリフォルニア州など西部の州の多くは比較的しっかりとした成長状態に戻るが,中西部および南部の製造業が集中する地域の状況は異なる。ミズーリ州,カンザス州,サウスカロライナ州などで,技術向け支出は抑えられたままになるだろう」(IDC世界IT市場/戦略調査担当プログラム・ディレクタのStephen Minton氏)

 カリフォルニア州では,2003年末時点の企業によるIT支出額は合計379億ドルだった。IDCは,これが2004年に5.0%増加すると見込む。米国北西部は,金融/銀行業界がIT支出をけん引する。しかし,米国IT機会調査担当プログラム・マネージャのJessica Goepfert氏は「ITベンダーは環境が変化しやすいことを忘れてはいけない」と指摘している。

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