米IDCが米国時間10月2日に,パッケージ・ソフトウエアの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場は2003年から穏やかな回復に向かい,今後5年間で成熟する。2006年まで,年平均成長率(CAGR)10~12%で拡大するとみる。

 IDC,世界ソフトウエア部門担当上級副社長のTony Picardi氏は,「経済の不透明感により,企業が通常よりもIT支出を控えてきたため,市場の成長が減速していた。しかし2002年末からゆっくりと回復に向かい,その後も着実な伸びをみせるだろう」と,楽観的な見通しを示した。

 売上高の増加が最も見込めるのはアプリケーション分野で,2006年には1310億ドル規模に達する見通しだ。アプリケーション開発および導入分野は最も急速な伸びをみせ,年平均成長率(CAGR)11.5%で拡大する。

 地域別にみた場合,北米,西欧,アジア太平洋地域,その他の地域は,ほぼ同じペースで成長する。

 2000年にソフトウエア世界市場で上位を占めたのは,米Microsoft,米IBM,米Oracle,米Computer Associates(CA)である。2001年はドイツのSAP AGがCA社にとって代わり4位となった。

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