ソフトウエア権利保護団体Business Software Alliance(BSA)は米国時間7月7日,2003年の違法コピーについて調査結果を発表した。それによると,世界で使用されているソフトウエアの36%が違法コピーで,その損害額は約290億ドルにのぼる。

 調査は,BSAの委託を受けた米IDCが,15カ国で5600回以上におよぶインタビュや,各種データの分析を行ったもの。業務向けソフトウエア,OS,消費者向けソフトウエア,国内向けソフトウエアなどを対象にした。

 2003年に世界でインストールされたソフトウエアは800億ドル相当だが,このうち正規に購入されたものはわずか510億ドル分だという。

 地域別の損害額をみると,アジア太平洋地域が75億ドル(違法コピー率53%),東欧が21億ドル以上(同71%),西欧が96億ドル(同36%),中南米が約13億ドル(同63%),中東/アフリカが10億ドル以上(同56%)。ちなみに,北米は違法コピー率は23%と最も低かったが,損害額は72億ドル以上におよんでいる。
 
 「ソフトウエアの違法コピーは,世界全体の大きな経済的問題だ。アルジェリアからニュージーランド,カナダから中国にいたる国々で,政府の税収入を奪い,関連業界に損失を与えている」(BSA会長兼CEOのRobert Holleyman氏)

◎関連記事
「学生によるソフトの不正コピーが深刻化する前に,大学は適切な指導を」,米BSAが警告
「世界の違法コピー率10ポイント減で,雇用口を150万,税収を640億ドル創出できる」,米BSA
米BSAが2001年の米国におけるソフトウエア海賊版が減少した州トップ10を発表,全体では前年より1%増加
BSAがインターネット上の海賊行為取り締まりに本腰
任天堂の米国法人,米通商代表部に中国,パラグアイ,メキシコの海賊版取り締まり強化を要請
「米マイクロソフトはソフトウエアの違法コピーに強固な姿勢で取り組むべき」,と英セキュリティ・ソフト・ベンダーのCEO
「Windows XPの不正コピー防止機能が発売後の数時間で破られた」と英ベンダー
MicrosoftとSymantec製品を違法コピーした女性に1100万ドルの支払命令

[発表資料へ]