米META Groupは,J2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)アプリケーション・サーバー市場に関する調査結果を米国時間3月10日,発表した。それによると,今後もJ2EEアプリケーション・サーバーがIT支出のなかで主要投資対象となる状態が続くという。ただしMETA Group社は「多くの企業が戦略的プラットフォームとしてJavaを採用しているが,J2EEが複雑であるため導入が進みにくい傾向は変わらない」と指摘する。

 同社はJ2EEアプリケーション・サーバー市場について,「成長と集約が同時進行中」と述べる。集中を強めつつある3大ベンダーと,ニッチな分野を手がけるベンダーが市場を構成しており,ベンダー数の増減は少ないとみる。「J2EEアプリケーション・サーバーが成熟してきたため,競争ポイントは幅広いプラットフォームに対応できるベンダーの能力にかかる。特に,Webサービス,アプリケーション開発,企業向けアプリケーション統合,業務プロセス自動化,ポータル,コンテンツ管理などの分野に足場を広げることが重要」(同社)

 「今後2年間,J2EE市場ではオープンソースのアプリケーション・サーバーの割合が増え,その結果ベンダーの統合が起る。2006年には,J2EE実行環境としてLinuxが好まれるようになるだろう。J2EEアプリケーション・サーバーのソフトウエア・スタックは既に安定しているので,製品間の相違は少なく,異なるプラットフォーム間のコード移行は非常に容易だ」(META Group社技術調査サービス担当副社長のMichael Barnes氏)

 そのほかの主な結果は以下の通り。

・現在のところ米IBMと米BEA Systemsが優勢。IBM社は認知度/戦略ビジョン/幅広いプラットフォーム/提供能力に優れ,BEA社は技術/販売チャネルに強みがある。

・米Oracleは,IBM社とBEA社の地位を狙う位置につけている。過去18カ月間で両社との差を大きく縮めており,今後6~9カ月でさらに肉薄する。

 なお同社は,「Javaと米Microsoftの.NETプラットフォームの激しい主導権争いは2006年まで続くものの,.NETが市場シェアを拡大する」と予測している。

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