Java関連のソフトウエア企業が,Java技術標準に対応するツールの開発を支援する業界団体「Java Tools Community(JTC)」を設立した。設立企業の1社である米Oracleが米国時間1月6日に明らかにしたもの。JTCのメンバー企業は,ツールを開発しやすい標準Java APIの作成などで協力するとしている。

 JTCの設立に参加したソフトウエア・ベンダーは,米BEA Systems,米Compuware,米Embarcadero Technologies,米Iopsis Software,チェコJetBrains,Oracle社,米Quest Software,ドイツSAP,米SAS Institute(SAS),米Sun Microsystems。またJavaツールを利用する顧客企業からも,US Sprint社とVerizon社が設立に加わった。

 JTCは,設計時におけるツールの作りやすさ(ツール・アビリティ)と相互接続性を高めるため,Java Specification Request(JSR)の作成/適用/改善の推進を図る。具体的には,Java関連の開発者コミュニティであるJava Community Process(JCP)の支援を受け,ツール・ベンダー,顧客,開発者が共同作業を行うためのオンライン・コミュニティを提供する。対象とする分野は以下の3つ。

1:現在および将来提案されるJSRのツール・アビリティを最大化

2:Java開発ツールと拡張機能の相互接続性を確保

3:ツール・ベンダー,顧客,開発者の情報交換を推進

 「JTCの活動は,ツール・ベンダーなどJCPメンバーの専門知識を,ユーザーが持つ現場の経験と結びつける作業を進め,より高いレベルのJava開発ツールと標準をもたらす」(JCPプログラム管理部門担当ディレクタのOnno Kluyt氏)

 なおJTCと似た目的を持つ活動として,オープンソース開発ツールの業界団体Eclipseがあるが,米メディアの報道(CNET News.com)によると,Eclipseを設立した米IBMはJTCに参加しない方向という。一方Javaコミュニティの中心企業であるSun社は,Eclipseへの参加を見送っている。

◎関連記事
2003年、エンタープライズJava動向を4つの軸で見る
2003年,Javaはどこまで進んだか――J2EEの最新像をスケッチする
米IBMがソフト開発者向け支援計画を発表,技術イベントの拡充やEclipse対応開発ツールの提供など
Eclipseコンソーシアムが「Visual Editor Project」を発足,オープンなGUIビルダーを開発者に提供
開発ツール・ベンダーが「Eclipse」に熱い視線
米Intel,ソフト開発プラットフォームの業界団体「Eclipse」に参加
米HP,Javaベース開発環境「Eclipse」向けツールを発表
「.NET」と「Java」に二分されるWebサービスのプラットフォーム,来年はともに約60%の開発者が使用

[発表資料へ]