米IBM，POWER5搭載の中企業向けUNIXサーバーを発表

早坂利之

2004.10.06

　米IBMは米国時間10月5日，マイクロプロセサ「POWER5」を搭載する中規模企業向けUNIXサーバー「eServer p5-520 Express」「同p5-550 Express」を発表した。同社「pSeries」ラインの製品で，「メインフレームの強味をいかしたコスト効率の高いサーバー」（同社）。価格はp5-520 Expressが3993ドルから，p5-550 Expressが7050ドルから。

　p5-520は，プロセサの動作周波数が1.65GHzで，1ウエイ／2ウエイ構成が可能。p5-550は，1.5GHzもしくは1.65GHzのプロセサを選択でき，2ウエイ／4ウエイ構成に対応する。「浮動小数点演算性能は，Opteronプロセサ・ベースの『Sun Fire V40z』，Itanium 2プロセサ・ベースの『HP rx4640』，PA-RISCプロセサ・ベースの『HP rp3440』より優れている」（同社）

　eServer p5 Express製品系列は，同社の仮想化技術「Virtualization Engine」に対応する。同技術を利用すると，1つのプロセサを最大10個の仮想サーバーとして利用できるため，同社製UNIXの「AIX 5L」やLinuxといったOSのほか，複数のサーバーやアプリケーションの統合が可能という。「予算が限られた中規模企業はITインフラを効率的に管理できる」（同社）

　IBM社Systems and Technologyグループ担当副社長のKarl Freund氏は，「p5 ExpressにPOWER5を搭載したことで，柔軟性とパワーが備わった。中規模企業ユーザーは，同サーバーによって，ITスタッフや予算に負担をかけることなく業務を拡張できる」と説明する。

　IBM社は同日，中規模企業向けのセキュリティ・ソリューション「Security Express Portfolio Solution for eServer」も発表した。VPN，メール・ゲートウエイ，ウイルス・スキャン，スパム・フィルタリング，侵入検知，ファイアウオールなどを通じて，エンド・ツー・エンドのデータ保護を提供する。