米IDCは世界サーバー市場に関する調査結果を,米国時間6月16日に発表した。昨年末より活性化している需要が今年も継続し,2004年の世界サーバー市場は前年比5%増の530億ドル規模になる見込み。また今後5年間の年平均成長率は3.8%で,2008年の市場規模は608億ドルに達するとみる。
ベンダーによる価格競争の激化が需要を後押ししており,過去3四半期の販売台数は,前年の同期間と比べ20%以上増加した。「ハードウエアとソフトウエアの買い替え需要が旺盛で,企業によるITインフラへの投資が増加している。東欧やアジアといった新興市場のほか,米国や西欧などの成熟市場でも需要が拡大するだろう」(IDC,Global Enterprise Server Solutionsプログラム担当リサーチ・ディレクタの Steve Josselyn氏)
地域別にみた場合,2008年までサーバー市場で最も大きなシェアを占めるのは米国となる。これに西欧,日本を除くアジア太平洋地域が続く。今後5年間の成長ペースが最も速いのは,中欧/東欧とアジア太平洋地域。いずれも,年平均成長率が6.5%を上回る見通しだ。
製品タイプ別にみた場合,ブレード・サーバー分野が市場の追い風となる。2008年に同分野の売上高は90億ドルに達し,出荷台数ベースでは全体の約29%を占めるようになる。
Linuxサーバーも,2008年には出荷台数全体の約29%を獲得し,売上高が97億ドルに成長する。Windowsサーバーは2008年に出荷台数の60%を占め,売上高は227億ドルになる見通し。IDCは,LinuxとWindowsサーバーの売上高を合わせると,2008年に市場全体の売上高の50%以上を占めると予測する。2003年に両サーバーの売上高が市場全体で占める割合は37%だった。
「とりわけ,WindowsおよびLinuxベースのx86サーバーの需要が強い。しかし,中小企業向けのスタンドアロン製品から,大企業向けのクラスタ製品まで,あらゆる分野のサーバーが安定した伸びをみせている」(IDC,Global Enterprise Server Solutionsプログラム担当ディレクタのMark Melenovsky氏)
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