日本ヒューレット・パッカードは2月10日、64ビット・プロセサIA-64を搭載するサーバー製品「HP Integrityサーバ」のラインアップを強化した。新たに低電圧版のItanium2(開発コード名Deerfield)を搭載するラックマウント型機「rx1600」を投入する。

 rx1600は、高さ1U(約45mm)のきょう体に1GHzの低電圧版Itanium2を最大2個搭載できる。主記憶は最大16Gバイト、ハードディスクは最大292Gバイト。最小構成時の価格は46万8000円と、既存のItanium2搭載ラックマウント型サーバー「rx2600」(99万8000円)の半値以下に抑えた。

 日本HPの榎本敏之ビジネスクリティカルサーバ製品本部長は、「競争に勝つため、思い切った価格を付けた」と意気込む。榎本本部長が“仮想敵”とみなすのは、サン・マイクロシステムズの中小型UNIXサーバー。「(Webシステムで高いシェアを持つ)サン製品のリプレース案件を狙う」と明快だ。

 サン製品からの置き換えを容易にするため、HPはrx1600の主力OSとして、自社製UNIXの「HP-UX 11i v2」を前面に押し出す。榎本本部長は「サンの製品ロードマップが不明確なため、Solarisからの移行を検討している顧客が増えている」と前置きした上で、「(64ビットUNIXの)Solarisをお使いのお客様がリプレースの対象としてまず検討するのは、他社の64ビットUNIX。Itanium2とHP-UXの組み合わせで、そこを攻める」と説明する。既存のRISCプロセサ「PAシリーズ」用に記述されたHP-UXのアプリケーションは、Itanium2用HP-UX上でも再コンパイルせずに動く。rx1600は64ビット版のLinuxと、同Windows(今年後半対応予定)も動作するが、榎本本部長は「64ビットのLinux/Windows環境はシステム構築/運用実績がまだ少ない」とみる。

 併せて日本HPは、既存のrx2600に低価格モデルを追加した。プロセサに動作周波数が1GHzの低電圧版Itanium2を最大2基搭載するモデルと、動作周波数が1.4GHzのItanium2を最大2基搭載するモデルがある。価格は最小構成で74万2000円から。

広岡 延隆=日経コンピュータ