米Intelは,EUV(超紫外線)半導体露光による商用製造設備を設置したと米国時間8月2日に発表した。「世界初」(Intel社)の商用EUV半導体露光装置を導入したほか,EUVマスク試験生産ラインの設置を終えた。同社は「この設備でEUV露光技術を研究段階から開発段階に進め,2009年に32nmプロセス・ルールで製品量産を開始する」としている。

 半導体露光とは,半導体製造用ウエーハ上に回路を作る手法の1つ。ある波長の光を元となるマスク・パターンに当て,その“影”をウエーハに転写することで回路を形成する。現在,一般には波長193nmの光源を用いて露光するが,EUVでは波長13.5nmの超紫外線を使う。そのため,より細かなパターンの露光が可能となり,LSIの集積度を上げることができる。

 同社は,EUV半導体露光装置「EUV Micro Exposure Tool(MET)」とマスク試験生産ラインを設置したことで,約30nmルールの回路形成が可能になるという。この設備を使用し,EUV半導体露光による量産時に必要な15nmという解像度の実現に向けた準備を行う。

 今後同社は,米Cymer,イタリアMedia Lario,ドイツNaWoTecなどの企業と協力し,EUV半導体露光の実用化に必要なインフラや装置の開発を進める。

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