米Intelは,65nmプロセス技術を用いた4MビットSRAMモジュールの製造に成功した。Intel社が米国時間11月24日に明らかにしたもの。同社では,「65nmプロセスを使うことで,1個のLSIモジュールに集積可能なトランジスタ数を現在の2倍に増やせる」としている。同製造プロセスは,2005年に300mmウエーハと合わせて量産ラインに投入できる見込み。

 同社が製造したSRAMセルの大きさは0.57平方μm。ゲート長35nmのCMOSトランジスタ6個で構成する。各トランジスタの大きさは極めて小さく,1平方mmの範囲内に1000万個並べられるという。

 「SRAMセルの大きさが小さくなるとより多くのキャッシュ・メモリーをプロセサに内蔵できるので,処理速度を高められる。また今回製造したSRAMセルは,ノイズに対するマージンが十分大きいためオン/オフの切り替え特性に優れ,安定した動作が行える」(同社)

 同SRAMは,ストレインド・シリコン,銅配線,低誘電率(low-k)絶縁材料といった製造技術を使用している。ストレインド・シリコンの採用により駆動電流を増加させ,トランジスタの動作速度を向上できるという。「しかも製造コストは2%しか増えない」(同社)。またlow-k絶縁材料で8層の銅配線を構成したことで,LSI内の信号速度向上と,消費電力低減という効果を得られた。

 なお同SRAMの製造は,オレゴン州ヒルズボロにある同社の300mm開発工場「D1D」で行った。D1Dは同社の最新工場であり,同社最大規模という17万6000平方フィート(約1万6351平方m)の独立したクリンルームを持つ。

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