米Motorola,オランダRoyal Philips Electronics,イタリア・フランス合弁のSTMicroelectronicsが,半導体技術の共同開発を進める包括的提携の了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に調印した。3社がオランダのアムステルダム,テキサス州オースチン,スイスのジュネーブで現地時間4月12日に明らかにしたもの。「目的は,将来の半導体技術を開発し,SoCソリューション製造をより迅速/低コストにすること」(3社)

 Motorola社は,Philips社,STMicroelectronics社,台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)の提携に参加して,300mmウェーハを使った90~32ナノメートル(nm)の半導体技術を共同で研究する。提携の期間は5年間。共同研究の拠点は,フランスのクロルにある「Crolles2」と呼ぶ研究開発センターに置く。

 なおこれに伴い各社は,既存の研究開発業務と研究所の規模を縮小する。さらに,フランスFrench Nuclearの研究部門やCEA/LETIが,フランスのグルノーブルにある研究所でこの提携に協力するという。

 Motorola社は,SOI(silicon-on-insulator:シリコン/絶縁膜構造),組み込みMRAM(Magnetic Random Access Memory),銅配線技術などを提供する。Motorola社が協力することで,CMOSプロセス技術に関するPhilips社とSTMicroelectronics社の既存の強力関係が強化されるという。

 Motorola社,Philips社,STMicroelectronics社は,設備投資/研究開発コスト/ファブにおけるウエーハの製造負荷の条件面で,対等の技術パートナとして提携する。3社による2005年までの投資額は,合計で14億ドルを予定する。またTSMCは,この提携でCMOSプラットフォーム技術の確立し,商業生産につなげることを期待している。

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