米Texas Instruments(TI)は,既存のADSL/VDSL標準と互換性のある新たなDSL技術「Uni-DSL(UDSL)」を米国6月14日に発表した。銅線を使って50M~100Mbpsの通信速度が実現可能で,高精細テレビ(HDTV)や音声およびデータ・サービスを1本の回線で提供できるという。

 UDSLを利用すると,1本のDSL回線で上下合わせ200Mbpsというスループットを確保できる。これを上下それぞれ100Mbpsずつの対称サービスとするほか,たとえば下り150Mbps/上り50Mbpsの非対称サービスとしても運用できる。すべてのDMT標準規格(ADSL/ADSL2/ADSL2+/VDSL/VDSL2)との互換性が保たれており,通信事業者は単一ソリューションで複数のDSLサービスを提供できるという。

 UDSL対応装置は,ユーザー宅から4000~6000フィート(約1.2~約1.8km)離れた地点にあるクロス・コネクトや主接続地点などと呼ばれる設備に設置する。通信事業者はこのUDSL対応装置まで光ファイバを敷設し,そこから銅線で50M~100Mbpsのサービスをユーザー宅に提供する。UDSLは集合住宅ユニット(MDU)や商業住宅ユニット(MTU:マルチ・テナント・ユニット)でも利用できるので,光ファイバがユーザーのいる建物やごく近くまで敷設されているFTTC/FTTBにも対応している。

 TI社は,2005年にUDSLソリューションが利用可能になると見込む。UDSL対応装置は2006年に出荷開始する予定。

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