米Strategy Analyticsが英国時間5月25日に,欧州世帯のブロードバンド・サービス普及状況に関する調査結果を発表した。それによると,2004年末には全世帯の20%に相当する3350万世帯がブロードバンド・サービスを利用するようになるという。Strategy Analytics社は,2008年の普及率を41%と予測する。

 「ブロードバンド・サービスは,(データ通信,電話,映像配信という三つのサービスを集約した)いわゆる“トリプル・プレイ”として利用される機会が次第に増える」(同社)

 ただし,欧州でも大規模市場を抱える国々では業者間の競争が乏しく,普及率の面で遅れているという。「2003年末時点の英国,ドイツ,イタリアの普及率はわずか13%~15%で,ベルギーやオランダ,デンマークの半分に過ぎない」(同社)。スウェーデン,スイス,ベルギーには既存通信ネットワーク事業者に対抗する強力なサービス・プロバイダが存在することから,2008年の普及率は55%~60%に達するとみる。

 「ブロードバンド市場は,第3段階に入りつつある。価格帯によって異なるユーザー層をターゲットとする戦略が広まっているが,VoIPやビデオなど複数のブロードバンド・サービスをパッケージ化して提供するプロバイダが成功を収めるだろう」(Strategy Analytics社上級アナリストのMartin Olausson氏)

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,米国は欧州よりも速いペースでブロードバンド化しており,現在のユーザー数は2690万人弱で,2004年末には約3500万人に達するという。増加の主な要因としては,VoIP,オンライン・ゲーム,家庭内ネットワーキングを挙げる。

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