「家庭内ネットワーク機器市場は,2004年の83億ドル規模から2008年には171億ドル規模へと急成長を遂げる」。米In-Stat/MDは,家庭内ネットワーク市場の今後の展望についての調査結果を米国時間5月10日,発表した。

 家庭内ネットワーク機器は,インターネット接続の共有や,エンターテインメント・コンテンツの配信によって,2003年から2004年にかけて主流となった。今後も,広帯域接続の共有やエンターテインメント・コンテンツへの関心の高まりが,市場の拡大を後押しする。

 「家庭内ネットワークで最も注目を集めているのは,メディア同士のネットワーク化である。多数のベンダーが,オーディオやビデオなど,エンターテインメント・コンテンツを共有するためのネットワーク機器をリリースもしくは発表している。2005年は,米Microsoftの『Media Center Extender』技術などが,この傾向を加速させるだろう」(In-Stat/MDR社主任アナリストのMike Wolf氏)

 その他の主な調査結果は次の通り。

・2004年から2008年にかけて,家庭内ネットワークの世界市場でアジア地域が占める割合は27%から36%へと増加する。一方,北米が同期間中に占める割合は46%から34%へと減少する。

・無線LAN市場では当初,IEEE802.11b規格が優勢だった。しかし,2003年第4四半期の無線LAN機器市場では,802.11gや802.11マルチ・モード対応機器が出荷台数の約50%を占めた。

・無線を高速化するMIMO(Multiple Input Multiple Output)やIEEE 1394といた新技術が,家庭内ネットワークにおける無線LAN技術として注目を集めている。

・家庭内ネットワーク機器を購入する場合,オンライン店舗よりも実店舗を利用する消費者が多い。

・2003年の無線機器市場を分野別にみると,米Linksysがメディア・アダプタ分野をリードした。また,消費者向けネットワーク・ストレージ分野では,米Ximetaが優勢だった。

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