非営利組織のPublic Patent Foundation(PUBPAT)が米Microsoftの保有するメディア交換ファイル・システム「File Allocation Table(FAT)」に関する特許について見直しを求めていた件で,米国特許商標局はこの要請を承認した。PUBPATが米国時間6月10日に明らかにしたもの。

 Microsoft社はFATを「コンピュータ間をはじめ,廉価なリムーバブル・フラッシュ・メモリーの登場後はデジタル端末間でも使用されるユビキタスなフォーマット」としているが,特許商標局は「PUBPATの要請により,同特許のすべての主張に関して多くの新たな疑問が生じた」と述べた。

 これにより,Microsoft社には冒頭陳述を行う機会が与えられ,それに対してPUBPATは反論することができる。場合によっては,冒頭陳述の後,特許商標局は同特許が実際に無効かどうかの判断に入る。今回のようにサード・パーティの再審査要請が認められると,「約70%の割合で,特許範囲の縮小あるいは特許そのものの無効化に至っている」(PUBPAT)という。

 Microsoft社は,同社の知的財産をIT業界にライセンス供与する計画を12月3日に発表。第1弾として,フォント・レンダリング技術「ClearType」とFATシステムを対象としたライセンシング・プログラムを用意する。米メディアの報道(CNET News.com)によれば,FATシステムはLinuxやUNIXコンピュータがWindowsコンピュータとデータをやり取りする際にも使われているため,Microsoft社がLinuxに対して特許侵害を唱えるのではないかという懸念が,一部で起きている。

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