米Microsoftは米国時間12月3日,同社の知的財産をIT業界にライセンス供与する計画を発表した。「他社技術との相互運用性を向上し,自社の技術革新を推進するため」(Microsoft社)としている。

 Microsoft社法務顧問兼上級バイス・プレジデントのBrad Smith氏は,「新たなライセンシング・プログラムにより,業界全体にわたる協力を促進する」と述べた。

 まずは,文字品質を高めるフォント・レンダリング技術「ClearType」とコンピュータ-デジタル機器間のメディア交換ファイル・システム「File Allocation Table(FAT)」を対象とした2種類のライセンシング・プログラムを用意する。「公正かつ正当な条件で提供する」(Microsoft社)

 ちなみに米メディア(CNET News.com)によると,米Lexar MediaがFATシステムのラインセンス取得を,米Agfa MonotypeがClearTypeのラインセンス取得を検討しているという。

 また同社は,知的財産の権利を無償/有償の両方のロイヤリティ条件でライセンス供与するプログラムを作成する予定である。例えば,学術機関や非営利団体に対しては,研究開発目的に限り,知的財産をロイヤリティ・フリーで提供する。

 Microsoft社はこれまで,一部の学術機関やパートナ企業にソース・コードを開示する「Shared Source」プログラムを実施しており,最近も「Office 2003 XML Reference Schemas」をロイヤリティ・フリーで利用可能にするライセンシング・プログラムを発表した。なお,Microsoft社は今後も,ソフトウエア開発キットを通じて,Windows向けアプリケーションの開発者にロイヤリティ・フリーで知的財産を提供する手法は続けるとしている。

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