米Hewlett-Packard(HP)は,デジタル・カラー画像処理/印刷を家庭および企業のあらゆる顧客に普及させるという事業方針を米国時間6月2日に発表した。HP社は2004年を「デジタル・カラーが主流になる年」と宣言し,10億ドル以上の研究開発費を投入するとしている。

 カラー画像/印刷を取り巻く現在の状況について,HP社画像処理&印刷グループ担当上級副社長のVyomesh Joshi氏は,「デジタル写真の普及,画像処理デバイスの低価格化,カラー処理技術の低価格化という3つの“ベクトル”が1つに重なった」と説明する。「その結果,当社はより包括的なカラー処理をほぼすべての顧客に提供できるようになった」(同氏)

 同社の事業方針は以下の3本の柱で構成する。

(1)米Adobe Systems,米Apple Computer,米Microsoft,米Quarkなどと協力し,企業/消費者向けのカラー・ソリューションを提供する

(2)「HP Color LaserJet 2550」(米国における予想小売価格は499ドル)といった500ドルを切る中小企業向けカラー・レーザー・プリンタを北米に投入するなど,低価格カラー・プリンタを販売する

(3)カラー印刷に適した新しい紙を開発するなど,印刷品質の向上を図る

 HP社は,現在71億ドル規模の企業カラー印刷市場が毎年20%増のペースで拡大し,2006年には102億ドル規模に達するとみる。「デジタル・カラーの力が認識されてきた影響で,企業はマーケティング能力強化とコスト削減のためにマーケティング関連作業を社内に移しつつある。現在外注している印刷業務を社内で行うと,関連予算を最大50%削減できる」(同社)

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