米Eastman Kodakはドイツのデュッセルドルフで開催中の印刷機器関連の展示会「drupa 2004」で,デジタル・プリンティング/パブリッシングの事業戦略を発表した。商業印刷事業を手がけるCommercial Printing部門の名称をGraphic Communications Group部門に変えるとともに,同部門の事業概要などを明らかにした。同社によると,同部門の売上高は現在20億ドルあるという。ただし,これは連結決算対象外の傘下企業Kodak Polychrome Graphics(KPG)社の売上高約15億ドルを含んでいる。

 Graphic Communications Group部門は,以下の100%子会社3社で構成する。

・米Encad:
 大型インクジェット・プリンタのメーカー。

・米NexPress Solutions:
 カラー/白黒のデジタル印刷ソリューションを手がける。Kodak社がドイツのオフセット印刷機メーカーHeidelberger Druckmaschinenから買収(関連記事)。

・米Kodak Versamark:
 高速インクジェット技術を手がける。もとは米Scitexの子会社Scitex Digital Printing社であり,Kodak社が買収し現社名に変更した(関連記事)。

 またGraphic Communications Group部門が運営しているKPG社は,米Sun Chemicalと対等条件で設立したジョイント・ベンチャーである。

 Kodak社はdrupa 2004において,Encad社の大型インクジェット・プリンタ「NovaJet 1000i」,高解像度印刷ヘッドを搭載した印刷システム「KODAK VERSAMARK VX5000e Printing System」などを紹介した。さらに,NexPress Solutions社とキヤノンがデジタル・カラー印刷ソリューションの共同開発についての関係を拡大することも明らかにした。

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