「Xeroxは日々状況を改善し,体制も強まりつつある」。米Xeroxの会長兼CEOのAnne M. Mulcahy氏が米国時間5月15日に,年次株主総会の場で発言したもの。同氏によると,同社は財務状態の強化,営業強化による収益性向上,企業ガバナンス増強という目標を達成できたという。Xerox社は「今後,成長体質に戻すための活動/投資に注力する」(同氏)という。

 同社は,2002年通期の決算で黒字化したと同時に,営業活動で19億ドルのキャッシュ・フローを作り出した。また黒字化計画に伴って17億ドルのコスト削減を実行した。その一方で,17種類のソリューション/サービス製品を新たに提供できたという。

 Mulcahy氏は,独立系アナリスト・グループの米Institutional Shareholder Servicesの調査結果を引用し,同社の企業ガバナンスが優れていること説明した。「当社の企業ガバナンスの優秀度は,S&P 500企業の上位18%にランキングされるほどだ。技術系企業に限ると,上位2%以内に入る」(同氏)

 「さらなる前進のため,オフィス/製作向けカラー技術,デジタル印刷/出版,文書/業務サービスといった成長の見込める重要分野に対し,年間10億ドル近くの研究開発費を継続して投資する」(Mulcahy氏)

◎関連記事
米Xeroxが2002年4Qの決算報告,予測を大きく上回る経営結果で1株当たり1セントの収益
米ゼロックスの2002年Q2決算,経営パフォーマンスの改善で黒字に回復
米ゼロックス,1997年~2001年で64億ドルの売り上げ水増しを認める
リストラ中の米ゼロックス,米GEキャピタルから4億3500万ドルの資金を調達
米Xerox,低価格で小規模企業と家庭に光ファイバをもたらす画期的な技術を開発
米ゼロックス,視覚障害者向けのコピー機操作ソフト「Copier Assistant」を発表
米ゼロックスが半導体回路向け新有機ポリマーを開発,「電子ペーパー実現に1歩接近」
相次ぐ巨大IT企業“突然死”の背景

[発表資料へ]