米Hewlett-Packard(HP)と米Quarkは,デジタル出力の効率化に関する提携を結んだ。ドイツのデュッセルドルフで開催されている印刷機材の国際総合展示会「Drupa 2004」で,両社が現地時間5月7日に発表したもの。「カスタム化したマーケティング用デジタル印刷物の作成,管理,配布を支援する」(両社)としている。

 「当社はQuark社と協力し,大企業のマーケティング展開に必要なインフラの開発に注力する。CRMデータベースとマーケティング素材のデザインおよび出力プロセスを容易に統合することで,企業は的を絞ったリアルタイムのマーケティングが効果を発揮し,ROIが向上することを実感するだろう。また,広告代理店や出力センターも,事業機会を拡大できる」(HP社Imaging and Printing Group部門バイス・プレジデントのBill McGlynn氏)

 提携のもとQuark社は,DTPソフトウエア「QuarkXPress 6」で,HP社製出力機を使った各種の印刷機能を強化する拡張機能パッケージ「QuarkXClusive」をリリースする。また,HP社のグラフィック・アート・プリンタおよびプレス機を対象に,出力性能の最適化を図る。そのほか,両社はカラー管理分野や技術サポートについても協力体制を敷く。

 Quark社社長兼CEOのKamar Aulakh氏は,「今こそ,デジタル・コンテンツの作成と出力を取り入れるべき時だ」と述べた。

 なお,HP社はDrupa 2004で,「Production Flow」ソフトウエアおよびハードウエアのデモを行う。Production Flow製品は,「Indigo 5000」プレス機用フロント・エンド「HP Production Press Manager」と組み合わせることで,大規模なデータ・ジョブの処理を大幅に効率化する。JDFやXML,SQL,PostScript,PDF,PPMLなどの標準規格をベースにしており,高性能RIP処理と,Web媒体への出力を簡素化する。

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