米IBMは,印刷プロセスを管理する「Infoprint Workflow」に新しいセキュリティとプロセス自動化機能を追加した。同社が米国時間3月10日に発表した。

 Infoprint Workflowは,デジタル印刷を効果的に管理するエンド・ツー・エンドのソリューション。データ作成から印刷までドキュメント作成のプロセス全体をコントロールする。セキュリティとプロセス管理が重視される政府,医療,金融,保健,印刷アウトソーシングなどの業界に適しているという。

 新しい機能として,印刷コンテンツの確認,ドキュメントの認証,印刷品質の監視機能が追加された。新機能により,オンデマンドの印刷の管理に頑強なセキュリティが加えられる。新しい印刷コンテンツ確認ツールでは,ユーザーが印刷するつもりだった情報が,印刷された情報と一致するかを確認できるようになった。たとえば,印刷された小切手の額がデータベースに記録されている印刷予定だった額と一致するかを確認できる。

 ドキュメント認証機能では,印刷されたドキュメントがオリジナルのものであり,変更されていないことを示すために,透かしやその他の変更不可能なマークを印刷できる。印刷品質の監視機能は,印刷されたページを検証して使われたインクの明瞭性と品質を評価する。

 また,顧客の時間と経費を節約して生産効率を高めるために,プロセスを自動化する機能を追加されている。IBM社は,プリンタ,印刷前後の処理を行なうハードウエア,自社と他社のソフトウエアで構成するドキュメント・ファクトリ・システムを完成している。

 Infoprint Workflowにより,顧客のビジネス・アプリケーションに直接ドキュメント・ファクトリ・システムを統合できるようになった。同社は,複数ベンダーのプリンタを管理する機能とデータ・ストリームのサポートを改善しており,同システムのインテグレーション,インストール,トレーニング・サービスも提供している。

 同製品により,ユーザーは,リアルタイムで生産工程の状況を知ることができ,必要に応じ途中で手を加えることができる。同製品により,印刷に関する多くのプロセスが自動化されるため,オペレータ時間が短縮されるとともにエラーと遅れの可能性が少なくなるという。

 同製品に関する詳細は,同社のWWWサイトに掲載されている。

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