米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2月12日に,ラスベガスで開催中のカメラ関連展示会「Photo Marketing Association」で,デジタル・カメラの新ファミリ「Photosmart」を発表した。今後8製品をリリースし,デジタル・カメラ事業の拡充を図る。「革新的なインダストリアル・デザインと当社独自の技術を組み合わせ,画像処理性能の強化と使いやすさを主流ユーザーである消費者に提供する」(HP社)

 同社は画像処理および印刷の研究開発に総額10億ドルの追加投資を予定しており,デジタル・カメラの研究と設計にも過去18カ月で多くの資金を投じているという。

 Photosmartは,「まったく新しいルック&フィールを備え,耐久性に優れたステンレス・スチールを素材に用いる。人間工学にもとづいたグリップ部分により,片手で簡単に撮影できる」(HP社)。Photosmartには,HP社が「HP Real Life技術」と呼ぶさまざまな先進技術が施されているという。HP Real Life技術の主な内容は以下の通り。

・「HP Adaptive Lighting」:コントラストの強い画像を自動調整する。

・「HP Image Advice」:画像を解析し,調整の設定などをユーザーに提示する。

・「HP In-Camera Red-Eye Removal」:パソコンを使うことなく,即座に赤目を除去する。

・「HP In-Camera Panorama Preview」:最大5枚の画像からパノラマ写真を構成し,表示する。

 Photosmartの画像エンジンでは,米Texas Instrumentsのデジタル・メディア処理技術を独占的に使用する。

 HP Real Life技術を用いた最初の製品「Photosmart R707」は,デジタル写真を簡単に共有,印刷,保存するための「HP Instant Share」機能を備える。解像度は510万画素,ズーム倍率は(デジタルと光学合わせて)24倍,内蔵ストレージ容量は32Mバイト。プリンタ接続通信規格PictBridgeをサポートする。米国での希望小売価格は349ドル。Photosmart Rシリーズ用ドックは79ドル。

 また同社は,米国内4500店以上の販売スタッフにオンラインおよび店内トレーニング・プログラムを提供する。

 なお,HP社とセイコーエプソン,キャノンは,携帯電話向け印刷技術の業界団体「Mobile Imaging and Printing Consortium(MIPC)」の設立を同日発表した。カメラ付き携帯で撮影した写真の印刷に関する規格の統一化を図るという。

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