米IBMは米国時間5月10日,ノート・パソコン「ThinkPad Tシリーズ」として「ThinkPad T42」「同T42p」を発表した。同日発表の米Intelのモバイル向けプロセサ「Pentium M」(開発コード名は「Dothan」)を搭載する。

 ThinkPad T42と同T42pは,14インチ・ディスプレイと15インチ・ディスプレイ搭載モデルを用意する。CPUは,2Mバイトの2次キャッシュを備えた「Pentium M 735」「同745」「同755」,あるいは1Mバイトの2次キャッシュを備えた1.5GHz版Pentium M。無線,セキュリティ,パソコン管理において,設定や保守を簡素化するソリューション「ThinkVantage Technologies」を採用する。

 ThinkVantage Technologiesには,セキュリティ・システム「Embedded Security Subsystem」,自己修復ツール・セット「Rescue and Recovery with Rapid Restore」などがある。Embedded Security Subsystemは,プライバシ暗号化やデジタル認証に対応する暗号化セキュリティ・チップとダウンロード可能なソフトウエアからなる。Rescue and Recovery with Rapid Restoreは,破損あるいは削除してしまったファイルの復旧や,クラッシュしたソフトウエアの修復に役立つ。

 新製品は,データ保護システム「Active Protection System」を採用する。落下などによる加速を検知するチップをシステム・ボードに搭載しており,加速を感じると,ドライブの読み取り/書き込みヘッドをシステムが安定するまで一時的に停止させる。これにより,ノート・パソコン本体の落下によるハード・ドライブの破損を防ぐことができるという。

 ThinkPad T42pは,詳細なデザイン表示,デジタル・コンテンツやマルチメディア制作,高性能アプリケーションの処理などに向ける。一部のモデルでは,OpenGLに対応したカナダATI Technologiesのグラフィックス・カード「ATI Mobility FireGL T2 Graphics」,解像度UXGA(1600×1200)の15インチ・ディスプレイを搭載し,上下左右170度の視野角を実現する「Flexview」技術,802.11 a/b/g無線技術を備える。

 今回発表した新製品は,2004年5月25日よりIBM社のWebサイトで購入可能。価格は,ThinkPad T42が1599ドルから,同T42pが3409ドルから。

 なお,米Dell,富士通の米国子会社Fujitsu Computer Systems,米Gateway,東芝の米国法人Toshiba America Information Systems(TAIS)なども,Dothanを搭載した新たなノート・パソコンを同日発表している。

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[発表資料(IBM社)]
[発表資料(Dell社)]
[発表資料(Fujitsu社)]
[発表資料(Gateway社)]
[発表資料(TAIS社)]