米Intelは米国時間2月18日に,2004年リリース予定のノート・パソコン向けプロセサ「Intel Pentium M」(開発コード名はDothan)およびモバイル技術「Intel Centrino」(同Sonoma)について発表した。従来版Pentium Mを高速化したDothanは2004年第2四半期に,現Centrinoの構成要素をすべて刷新したSonomaは2004年後半に利用可能とする。さらにIntel社は,Centrinoベースのノート・パソコンを開発する際のフレームワーク「Mobile Platform Vision Guide(MPVG)」についても明らかにした。

 Dothanは,第2世代Pentium Mに相当するプロセサ。製造プロセスは90nmルールで,1億4000万個のトランジスタを搭載する。マイクロ・アーキテクチャを強化して,消費電力を最適化したレベル2キャッシュを2Mバイト内蔵することで,メモリー・アクセスを高速化するという。システム・バス(FSB)のクロック周波数は533MHz。

 SonomaはDothanを中心に,IEEE802.11a/b/g対応のほか新チップセット「Alviso」(開発コード名)を採用する。Alvisoは同社の第3世代グラフィックス・エンジン,帯域幅を拡大したDirect Media Interface,テレビ出力,高品位オーディオ「High Definition Audio」,8つのUSBポート,4つのPCI Express,最大2GバイトのDDR2メモリーに対応可能。オーディオ使用中にプロセサをスリープ状態に保つ機能を導入することで,消費電力を抑えられる。

 またMPVGについて同社は,コンセプト・モデルを使って「Extended Mobile Access(EMA)」と「Florence」(開発コード名)呼ぶ技術を紹介した。

 EMAは,ノート・パソコンの画面を閉じた状態でもセカンド・ディスプレイを使って電子メールや情報にアクセスできる機能。中国LegendがEMA対応ノート・パソコン「Vela」のデモンストレーションを行った。また米Insyde Softwareは,“画面を閉じると低消費電力モードに入るが,無線LAN接続は維持する”などの動作が可能なEMA用ソフトウエアを発表した。

 一方,FlorenceはIntel社が開発したMPVG対応コンセプト・モバイル・パソコン。ノート・パソコンとタブレットPCの両方の形態で使用可能なEMA対応12インチ・モデル,指紋やスマートカードによるセキュリティ機能などを備えるEMA対応15.4インチ・モデル,無線機能やHigh Definition Audio,VoIPなどに対応するエンターテインメント用17インチ・モデルという3種類をデモンストレーションした。

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