米Intelが米国時間9月17日に,ノート・パソコンや無線機器向けの次世代プロセサおよびチップセットなど4製品を発表した。「Intel Pentium M」の次版(開発コード名はDothan),「Intel Centrino」モバイル技術をベースとする新プラットフォーム(同Sonoma),「Intel XScale」技術ベースの携帯電話機/PDA用プロセサ(同Bulverde),Intel Centrino技術対応パソコン用の新型チップセット「Intel 855GME」である。

 各製品の概要は以下の通り。

・Dothan:
 製造プロセスは90nmルールで,1億4000万個のトランジスタを搭載する。「トランジスタのサイズを小さくし,ストレインド・シリコン技術を採用したことにより,性能の余裕を大きくとれる」(同社)。マイクロ・アーキテクチャを強化して,消費電力を最適化したレベル2キャッシュを2Mバイト内蔵することで,メモリー・アクセスを高速化する。量産品の出荷開始は,2004年第4四半期と見込む。

・Sonoma:
 2003年後半にIEEE802.11a/bおよびIEEE802.11b/g無線ネットワーク対応とすることで,Intel Centrinoモバイル技術の強化を図る。同技術をベースとするモバイル・プラットフォームSonomaは,2004年後半リリース予定。SonomaはPentium Mプロセサの新版を採用し,IEEE802.11a/b/gに対応することで,無線通信の速度を高速化するとともに,業界標準のセキュリティ方式も使用可能とする。さらに,新型グラフィックス・エンジン,PCI Express,ExpressCard,次世代DDR2メモリー,次世代物理ストレージ(Serial ATA),新型オーディオ・インタフェース「Azalia」などに対応する新チップセット「Alviso」(開発コード名)もリリースする。

・Bulverde:
 XScale技術をベースとする携帯電話機/PDA向けの新型プロセサ。カメラによる撮影機能を備え,低消費電力と高いマルチメディア処理能力が特徴という。詳細については,2004年前半に改めて明らかにするとしている。

・Intel 855GME:
 DDR-333メモリーと組み合わせて使用することで,Intel Centrinoモバイル技術対応ノート・パソコンにおいて,グラフィックスとメモリーの処理能力を強化できるという。また,ディスプレイのバックライトを暗くしても輝度とコントラストを調整して見易さを維持できる同社の「Display Power Saving Technology(DPST)」や,バッテリ動作時とAC電源動作時で動作周波数を自動的に変える機能など新しい省電力機能を採用する。「DPSTを使うと,画面の見た目に与える影響を最小限に抑えながら,バックライトの消費電力を最大25%減らせる」(同社)

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[発表資料(その1)]
[発表資料(その2)]