米Gartnerは中規模企業の無線LAN導入に関する調査結果を,米国時間7月30日に発表した。それによると,無線LANの低価格化とノート・パソコンの普及にともない,2003年末までに無線LANを導入する北米の中規模企業は60%に達するという。

 無線LANは,在庫,出荷,製造などの業務プロセスの向上を通じて,事業を効率化したい企業の重要な戦力となる。「家庭,職場,公共における無線接続の需要が急増しており,パソコン・メーカーも積極的に無線機能を搭載している。このような市場の波に押され,次世代無線ソリューションを導入する中規模企業が増えている」(Gartner社副社長兼リサーチ・ディレクタのJim Browning氏)

 しかしGartner社の予測では,営業支出の削減と無線接続の柔軟性を目当てに無線LAN技術を導入した場合,見返りは小さい範囲にとどまる。最初の2~3年は,おそらく収支トントンだ。

 ROI(投資回収率)を向上したいのであれば,無線LANをERP(統合業務パッケージ),SCM(サプライ・チェーン管理),CRM(顧客関係管理)などの企業向けアプリケーションと連携させることが重要だという。

 なお同社によると,2004年までに導入される無線LANの60%が,特定業務に向けた垂直アプリケーションと連携するようになる。

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