米Evans Dataは,無線LAN向けのセキュリティに関する調査結果を米国時間9月15日に発表した。それによると,Wi-Fi Protected Access(WPA)方式の導入が増加しているという。半年前にはほとんど利用されていなかったWPAだが,現在,無線関連開発者の20%が採用している。

 調査は,世界の無線関連開発者462人を対象に,2003年8月に実施したもの。ちなみに,Wired Equivalent Privacy(WEP)を導入している無線開発者の割合は14%だった。「WEPはスタートの時点からつまづいていた。なぜなら,暗号の専門家ではなく,電気エンジニアが設計したものだからだ。家庭で利用するならまだいいが,企業の無線ネットワークで効率的にセキュリティを確保するには不十分だ。WPAの方が無線開発者のコミュニティで幅広く受け容れられつつあるのは,当然といえる」(Evans Data社無線アナリストのJeff Duntemann氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・無線アプリケーション開発の最も大きな課題は,「リソースが限られたプラットフォームでの作業」である。そのほか,「急速に変化する標準規格」「馴染みのないデバイス・プログラミング」「優れた開発ツールの欠如」などが挙げられた。

・無線機器で最も重視する高度な機能は,「スクリーンのサイズと解像度」「無線ネットワークへの対応」「トランザクションのセキュリティ」「カラー対応」「メッセージング」など。

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