「米国の消費者は,小型で音声機能に優れた携帯電話を求めており,デジタル・カメラ,ゲーム,PDA(携帯情報端末),音楽再生などの機能は重要視していない」。米Jupiter Researchが米国時間7月22日に,米国における携帯電話の需要について調査した結果を明らかにした。

 米国のキャリアや携帯電話メーカーの大半は,PDAやMP3プレーヤなどを内蔵した多機能携帯電話(スマートフォン)を提供している。しかし今回の調査から,消費者の多くは49ドル以上支払って付加的な機能を得るよりも,基本的な機能を備えた無料の携帯電話を好むことが分かった。

 Jupiter Research社アナリストのAvi Greengart氏は,「統合型デバイスを精力的に開発しているキャリアが多いが,消費者が実際に必要としているか,需要と照らし合わせて考えてみる必要がある」と指摘する。

 Greengart氏によると,今後もしばらくは音声やテキスト・メッセージングなど,基本的な機能を備えた携帯電話が需要の大半を占める。次いで人気が高いのは,容量の小さなJavaやBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)アプリケーションを実行できる,価格とサイズが手頃な機種になるという。「カメラ,PDAやMP3プレーヤを搭載した機種が,今後12カ月間に米国で普及する可能性は低い」(同氏)

 Jupiter Research社は,統合型デバイスに対する消費者の関心が低いことから,キャリアや携帯電話メーカーはPDA,MP3プレーヤを個別のデバイスとして開発し,Bluetooth技術で連携できるようにした方がよいとアドバイスしている。

◎関連記事
米Handspringが「Treo 600」シリーズを発売,サイズを大幅に縮小
ノキアがカメラ付き携帯電話機「Nokia 3650」を発表
米Sprint,米国初のカメラ付き携帯「Sanyo 8100」をリリース
米T-Mobile USA,米国で携帯電話のビデオ・メッセージング・サービスを開始
「2006年に西欧で販売される携帯電話機の66%はカメラ内蔵」,米Gartnerの調査
「世界の携帯電話ユーザー,2006年には19億人に」と米ストラテジー
「2003年Q1の世界携帯電話出荷台数は前期比16.6%増,スマートフォン普及に加速」,米IDC
「2006年のイメージング機能付き携帯機器の出荷台数は世界で1億5100万台に達する」,米IDCの調査

[発表資料へ]