米Intelは,ノート・パソコン向けプロセサの新版「Intel Pentium M processor 735」「同745」「同755」を米国時間5月10日に発表した。「Dothan」という開発コード名で呼ばれていたプロセサで,同社のモバイル技術「Intel Centrino」(開発コード名はSonoma)の一角を構成する製品である。既に出荷を開始しており,同日より利用可能とする。

 新プロセサは,同社製モバイル・プロセサとして初めて90nmプロセス・ルールで製造され,1億4000万個のトランジスタを集積する。従来のPentium Mプロセサに対し,動作周波数の向上,内蔵レベル2キャッシュの2Mバイトへの増量,マイクロ・アーキテクチャの強化が施してあり,「性能が最大17%高まった」(Intel社)。システム・バスのクロック周波数は400MHz,動作電圧は1.276V~1.34V,熱設計消費電力(TDP)は21w,パッケージはMicro FCPGAとMicro FCBGA。

 いずれのプロセサも電力管理機能「Enhanced Intel Speedstep Technology」に対応しているので,「アプリケーションの処理性能を最適化するとともに,消費電力を調整してバッテリ駆動時間の延長に貢献する」(同社)

 新版Pentium Mプロセサは,「Intel 855」ファミリのチップセットと無線LSI「Intel PRO/Wireless network connection family+」と組み合わせることで,Centrinoを構成する。また,2004年後半に利用可能となる予定のSonomaでは現Centrinoの構成要素をすべて刷新し,新版Pentium Mプロセサのほか,新チップセット「Alviso」(開発コード名)とIEEE802.11a/b/g対応の無線LAN用LSIを採用する(関連記事)。

 なお,新版Pentium Mプロセサと既存プロセサのあいだにはソケット・レベルの互換性があるので,OEMメーカーは既存システム設計のまま新プロセサを導入できる。

 新プロセサの動作周波数と1000個ロット時の単価は以下の通り。

【Intel Pentium M processor 755】
・動作周波数:2GHz/600MHz(バッテリ最適化モード時)
・単価:637ドル

【Intel Pentium M processor 745】
・動作周波数:1.80GHz/600MHz(バッテリ最適化モード時)
・単価:423ドル

【Intel Pentium M processor 735】
・動作周波数:1.70GHz/600MHz(バッテリ最適化モード時)
・単価:294ドル

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