米IBMは米国時間11月5日に,パソコンの設定や保守を簡素化するためのソリューション「ThinkVantage Technologies」を発表した。,ハードウエアとソフトウエアを組み合わせ,無線ネットワーク導入やセキュリティ強化などに伴うパソコン設定および管理の手間を削減する。

 「スピード,グラフィクス,ストレージ容量などがすべて向上しても,パソコンの設定,管理,アップデート,復旧には時間とお金がかかる。パソコンの総コストのうち80%は,購入後の管理とサポートが占めるという。ThinkVantage Technologiesを利用することにより,ユーザーはこうしたコストをおさえることができる」(IBM社)

 IBM社パーソナル・コンピューティング部門ジェネラル・マネージャのFran O'Sullivan氏は,「パーソナル・コンピューティングは新しい段階へと進展している。第1段階は,高速プロセサ,大容量ストレージ,新OSがけん引した。第2段階は,操作の効率性に焦点が当てられた。そして新たな段階では,オープンな業界標準規格の普及と,ビジネスの問題を解決する革新的な技術が主役となる」と説明した。

 ThinkVantage Technologiesの主な内容は以下の通り。

・「IBM RapidRestore PC」:データやアプリケーションの復旧を行うためのソフトウエア。IBM社のパソコンにプリインストールして提供する

・「Embedded Security Subsystem」:貴重なデータを保護するための業界標準規格ベースのシステム。ハードウエアとダウンロード可能なソフトウエアを組み合わせる。特定モデルで利用可能

・「System Migration Assistant」:古いパソコンから新しいパソコンへの移行を簡素化するソフトウエア

・「Access Connections」:有線,無線,家庭内,職場のネットワーク設定や切り替えを簡素化する機能

・「Access IBM」:サービスやサポートにアクセスするためのワンボタン機能

 ThinkVantageは,パソコンが自身で診断/修復する未来を想定したIBM社の新たな戦略「Think」の中核を成す。Thinkには,デスクトップ・パソコン「ThinkCentre」,ディスプレイ「ThinkVision」,アクセサリ用品「Think Accessories」,サービス「Think Services」などが含まれ,すべてに「ThinkVantage Design」と呼ぶ機能コンセプトを取り入れる。

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