米IBMは,事業継続/災害復旧用ストレージ製品「IBM TotalStorage Global Mirror for Enterprise Storage Server(ESS)」を米国時間4月20日に発表した。「重要なデータを遠隔地にバックアップすることで,台風や地震などで地域が被害を受けてもデータを保護し,復旧に役立てる」(IBM社)

 IBM社エンタプライズ・ストレージ担当ジェネラル・マネージャのTom Hawk氏は,「予定していようと予定外であっても,システムの停止は1秒1秒が極めて重要な意味を持つ」と述べる。

 「データ喪失や救出の影響は計り知れない。Global Mirrorを導入すれば,業務プロセスと重要なビジネス・アプリケーションの可用性を経済的な方法で高い状態に保てる。しかも,現時点において最高クラスの速度を世界中で利用できる」(同氏)

 Global Mirrorは非同期PtoP遠隔コピー(PPRC)などの技術を導入し,ハード・ディスク装置のミラーリングを行う。300km以上離れた地点間でも遅延時間は3秒から5秒という。ストレージ・システム1台当たり2本のファイバ・チャネル・リンクでミラーリングするので,「4本必要な他社の競合技術に比べインフラ・コストと総所有コスト(TCO)が低い」(同社)

 TotalStorage Global Mirror for ESSは,「IBM eServer zSeries」を含むさまざまなシステムで利用可能。2004年5月に全世界で提供を開始する。

◎関連記事
「職場のセキュリティを心配する米国労働者は約3分の1,若い世代ほど不安を感じている」,米調査
「セキュリティと事業継続性に関する世界IT支出,2007年には1160億ドル超に」,米IDCの調査
北米大停電は「IT部門の大半が十分な停電対策を備えていなかった」,カナダの調査会社
「米企業の36%が災害時の事業継続計画を準備していない」,米社の調査
「米国企業の大部分は,戦争やテロによる災害対策を講じていない」,米ガートナー
「災害復旧はシステムをそろえただけでは機能しない」と米国の専門家が指摘
「災害対策を怠っている中小企業,5年以内に40%が倒産する可能性大」,米ガートナー
動向●多様化する災害対策(上)

[発表資料へ]