「米同時多発テロ事件から2年以上経ったにもかかわらず,米国労働者の約3分の1がテロ攻撃や自然災害によって職場のコンピュータ・システムが不能になることを心配している。とりわけ若い世代にその傾向が強い」。米BroadSpireは,米国人の職場におけるセキュリティやテロ対策に対する意識調査の結果を米国時間10月28日,発表した。

 調査は,ITサービスを提供するBroadSpire社が,米Synovateに依頼して行ったもの。10月初めに米国労働者1048人を対象にオンラインで実施した。

 テロ攻撃や自然災害によって,職場のコンピュータ・システムが不能になることを心配する回答者は,25歳以上で約31%だったのに対して,18~24歳では37%にのぼった。また,人種別と性別でみると,非白人(40%)が白人(30%)より多く,女性が男性よりやや多いことがわかった。

 BroadSpire社の調査結果は,米ImationがITディレクタやネットワーク・マネージャを対象に行った最近の調査とも一致しているという。「きちんとした災害対応策がない」という企業は約30%で,「データのバックアップや災害復旧プランに大きな脆弱点がある」とする企業は64%に達した。

 「米同時多発テロが,人々の心に残した不安はいまだに大きいようだ。とりわけ若い世代はテクノロジを身近にして育ち,大きな信頼を寄せていただけに,コンピュータ・システムが不能になることへの不安が強い。また彼らは,現在の経済や社会がコンピュータ・システムに365日24時間依存していることを知っている」(BroadSpire社社長のSuresh Srinivasan氏)

 その他の主な調査結果は次の通り。

・中所得層(年収2万5000~5万ドル)の37%が,職場のコンピュータ・システムの脆弱性を心配しており,他の所得層と比べて多い

・コンピュータ・システムの脆弱性を心配する回答者が最も多いのは米国南東部(36%)。最も少ないのは米国西部(26%)

・回答者の学歴が高くなるほど,心配する人の割合が減っている。心配する回答者の割合が最も多いのは,最終学歴が高校もしくは中学校の場合で32%

・既婚者は心配する回答者の割合が少なく28%。未婚者,離婚者,配偶者を亡くした回答者の場合は35%

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