米Gartnerは米国時間3月4日に,「戦争やテロが発生する脅威があるにもかかわらず,米国企業の大部分は深刻な災害による事業やITシステムの停止に対処する準備がされていない」,などとする調査結果を発表した。

 早急に災害対策投資を行なわない限り,米国企業の3社のうち1社は,災害発生時に重要なデータを損失したり,事業停止を余儀なくされる。「準備がカギだ。基幹システム保護に十分な投資をしなければ,災害復旧までの時間が長びき,さらに費用がかかるだろう」(GartnerのDataquest社ITサービスグループ主席アナリストのTony Adams氏)

 正式な災害対策を立てていない主な理由として,企業の24%が「資金不足」を挙げた。「予算が制限されているため,40%の企業は,潜在的なリスクの判断に費用がかかりすぎる正式な査定を用いず,‘できる限りの推測’に頼っている」(同氏)

 また,災害対策を立てている企業でさえ,金銭的なサポートがないために厳しい状況に陥っている。災害対策を持つ企業に所属するITマネージャの37%が,それらの対策を満足のいくレベルに引き上げるには追加投資が必要だと回答している。

 「災害につきものの複雑な物流や人員の問題を解決するには,事前の準備が必要だ。この点を理解する企業が増えているのことだけが明るい材料だ」(同氏)

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