米Gartnerは米国時間3月25日に,「中小企業の多くは災害対策を怠っている。仮に災害が起こった場合,5社のうち2社は5年以内に廃業に追い込まれるだろう」,などとする調査結果を発表した。

 中小企業の多くが災害復旧や事業継続のためプランを導入していない理由に一つに,高いコストが挙げられる。従来のソリューションの大半は堅牢で,中小企業にとって法外なほど高価である。Gartner社によると,包括的な災害復旧プランを導入している中小企業はわずか35%。危機管理,緊急時対策,ビジネス復旧,ビジネス再開のためのプランを持つ中小企業は10%を下回るという。

 「中小企業の多くは,昨年9月11日の対米同時テロと同規模の災害が我が身に降りかかることはないと思っている。しかし通常業務を妨げ,企業にダメージを与える可能性が最も大きいのは,電子メール経由のウイルスや停電など,多数の比較的“軽症”な出来事である。発生する可能性が高い分,リスクも高くなる」(Gartner社副社長兼リサーチ・ディレクタのJim Browning氏)

 またGartner社の調査から,ミッション・クリティカルなアプリケーションの中断は,その80%が人為的ミスやプロセスの障害に起因していることがわかった。技術の欠陥や環境の障害,または災害が原因となるのはわずか20%である。

 中小企業が,事業継続や災害回復プランのための投資額を検討する際は,業務停止によって被る損害額を考慮する必要がある。また不測の事態における対策を立てておくことで,速やかに業務を復旧し,生き残りのチャンスを拡大できるという。

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