「2009年には,世界におけるホットスポットの設置場所が70万カ所を超え,関連売上高は114億ドルにのぼる見込み」。調査会社の米ON Worldは米国時間4月19日,ホットスポットに関する調査結果を発表した。

 ホットスポットの設置場所は,「カフェ,レストラン,バー」が52%を占める。「ホテル」は33%,「食料品を除く小売店舗」は5%,「交通機関」は1%。

 地域別にみた場合,ホットスポットの設置数が最も多いのはアジア太平洋地域で,世界全体のうち53%を占める。同地域のホットスポットのアクセス料金は,欧州の4分の1,北米の2.5分の1である。

 アジア太平洋地域では,ホットスポットの55%が「カフェ,レストラン,バー」に設置されている。カフェに限ってみた場合,ホットスポット設置数は北米の約3倍,欧州の約2.5倍にのぼる。なお欧州のホットスポットの25%は,公園,スポーツ・クラブ,図書館,商業施設などに設置されており,これらの多くが無料で利用できる。

 その他の調査結果は以下のとおり。

・韓国のKorea Telecomは,韓国ソウルにあるカフェのホットスポットの86%を提供している
・NTTは,東京のホットスポットの69%を提供している
・英British Telecomが提供する「BT Openzone」は,ロンドンのホットスポットの20%を占める
・米T-Mobileは,マサチューセッツ州ボストンのホットスポットの40%,テキサス州ダラスのホットスポットの87%を提供している

 ホットスポットの定着には,無線LAN(Wi-Fi)対応機器が重要な役割を果たす。ON World社は「2009年までには,モバイル機器の85%がWi-Fi対応となる」と予想する。

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