米Gartnerが米国時間4月1日に,米国のIT投資に関する調査結果を発表した。それによると,2004年2月に多くの米国企業が予算額を超えるIT投資を行い,実際の支出が予算を平均5%上回ったという。

 Gartner社は,公共団体および中小企業,大企業のIT担当者400人以上にアンケートを実施し,予算額に対する支出額の割合をIT投資指数「Technology Demand Index(TDI)」として算出した。予算額と支出額が一致した場合の指数を100とする。

 2004年2月のTDI値は105で,同社が調査を開始した2003年3月以降,初めて単月で100を超えた。ちなみに2003年12月は77,2004年1月は100だった(同社の発表資料:2003年12月の指数2004年1月の指数)。

 「2003年末時点の調査で,2004年の予算額は前年比10%増という結果を得た。2004年の最初の2カ月間はIT予算と支出の割合が安定していたので,当社は,2004年における米国企業のIT支出が前年と比べ10%増えるとみる」(Gartner社マネージング副社長のScott Evans氏)

 ただし,Gartner社調査ディレクタのBrian Smith氏は,「予算の大幅増加はITサービスとソフトウエアの分野で起きている現象であり,2004年のハードウエア予算は横ばい状態」と指摘する。「ただしハードウエア価格の下落が続いていることを考えれば,支出が変化しないのは良い傾向ととれる。今後はわずかながら支出額が上向きになるだろう」(同氏)

 また,IT担当者が購入した製品のメーカーを測定する指数「Vendor Demand Index」によると,需要増が見込まれるのは大手ベンダーよりも中小ベンダーの方が多かったという。

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