「米国経済に復調の兆しが見られるものの,2003年11月は,多くの企業がIT投資に慎重だった」。米Gartnerは米国時間12月16日,米国のIT支出に関する調査結果を発表した。

 Gartner社は,公共団体および小~大企業のIT担当者にアンケートを実施し,予算額に対する支出額の割合をIT投資指数「Technology Demand Index」として算出した。それによると,2003年10月の指数は85,11月は81だった。

 11月は技術関連のすべての分野で指数が落ち込んだ。とりわけ,ITサービス分野の指数は79に低下した。「これまで堅調だったITサービスは,現在の支出と今後の支出予測の両方が減少傾向にある。北米のサービス・プロバイダは,ベンダー間の価格競争とアウトソーシングの利用増加によって,大きな痛手を受けている」(Gartner社上級副社長兼ジェネラル・マネージャの David Hankin氏)

 Hankin氏によると,「第4四半期のIT支出を見る限り,2004年初めに広範な分野の回復は見込めそうにない」という。「IT意思決定者が年度内に予算を消化をしようとする場合は,12月に支出が伸びる可能性があるが,2004年の回復を示唆する増加ではない」(同氏)

 ちなみに,自社の会計年度が12月に終了するという回答者は49%だった。そのうち,2003年末までに消化できなかった予算を,「翌年に持ち越すことができる」企業は30%,「翌年に持ち越せない」企業は67%。また,2003年末までに消化できなかった予算を翌年に持ち越す場合,61%は「2004年のいつでも予算を消化できる」が,30%は「2004年第1四半期までに消化しなくてはならない」。

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