米Gartnerは米国時間11月14日に,米国のIT投資に関する調査結果を発表した。2003年10月における米国企業のIT支出は依然として予算額を下回ったが,2004年のIT投資は回復する見通しだという。

 Gartner社は小~大企業のIT担当者にアンケートを実施し,予算額に対する支出額の割合をIT投資指数「Technology Demand Index」として算出した。それによると,2003年10月の指数は85だった。9月の87と比べて,わずかに投資がおさえられた。

 Gartner社グループ・バイス・プレジデント兼リサーチ・フェローのMartin Reynolds氏は,「調査結果から,IT担当者が引き続きIT投資に二の足を踏んでいることが分かった」と述べた。しかし,2004年には全体的な需要が回復する見通しで,指数は6月および7月のレベルまで近づくという。「2003年の最後の数週間に,IT担当者が残った予算をどのように使うかが大きな問題だ」(同氏)

 従業員100~999人の中規模企業と同1000人以上の大規模企業が,2004年にIT投資を増やす見込みだ。これらの中・大企業はIT総支出の44%を占めており,IT製品やサービスの大幅な成長をけん引する。

 また,IT担当者が購入した製品のメーカーを測定する指数「Vendor Demand Index」によると,2003年第3四半期はサーバー市場の回復が追い風となり,米Dellが米Hewlett-Packard(HP)と米Sun Microsystemsを抑えて優位に立っている。Dell社の指数は114,HP社は108,Sun社は99だった。

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