米AMR Researchは米国時間2月9日,企業のIT支出に関する調査結果を発表した。同社によれば,企業のグローバル化,買収合併といった変化によって,580億ドル規模の企業向けアプリケーション市場は引き続き困難に直面する。しかし,企業のIT投資は回復に向かうという。調査の結果,同社は2004年の企業のIT支出が9%成長すると予測している。

 調査は,2004年1月に米国企業200社に対して電話で行なったもの。従業員が1000人以上の製造業,サービス業を対象に実施した。この結果,企業はIT投資戦略をコスト削減から,投資によって売上高と顧客ベースの拡大を狙う戦略に移行していることが明らかになった。

 調査によって明らかになったその他の結果は次の通り。

・予測される経済成長にけん引され,66%の企業は2004年にIT投資の増加を計画している。前年第3四半期には,この割合が47%だった。投資増加の割合も前年第3四半期の4.3%に対して9.0%と拡大している。

・2004年は引き続き顧客サービス関連のIT投資が中心になる。48%はこの先12カ月にかけて顧客のロイヤルティ保持に重点的に投資すると回答している。

・もっとも投資が集中するのは,アプリケーションとアプリケーションを統合するソフトウエア・インフラ。55%は,同分野に対する投資を最優先にすると回答している。

・35%の企業は利用しているソフトウエア製品にほぼ満足しているが,大半の企業は柔軟性の欠如,製品コスト,事業目標に合わない技術など,不満のある分野に対処する計画を用意している。

◎関連記事
「企業のIT予算は2004年に2%増加」,米AMR Researchが調査結果を発表
「企業向けアプリケーション市は2006年に700億ドル規模」,米AMRの調査
「2004年はすべての垂直市場でIT支出が回復する」,米Gartner調査
戦略的ITプランを持たない企業が60%,経営戦略との連携を欠く企業が大半

発表資料へ